「最近なんだか疲れやすい…」
「イライラして、つい子どもにきつく当たってしまう…」
疲労やストレスがたまると、日常のささいなことにも反応しやすくなります。
気づかないうちに、片づいていない部屋が心身のバランスを乱しているかもしれません。
今回は
- 片づけと健康の関係性について
- 時間別カンタンにできる片づけルーティン
- 逆にストレスが溜まる注意点
について解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
部屋が散らかっていると健康に悪影響?片づけと自律神経の関係

片づけと健康は実は密接な関係があります。
代表的なのが自律神経。
片づけと自律神経の関係について説明します。
散らかった部屋が自律神経を乱す
部屋が散らかっていると、自律神経が乱れやすくなります。
人の脳は、目に入る情報を常に処理し続けています。
部屋が散らかっていると、脳が処理する情報が増えてしまい、リラックスしたいときも緊張状態が続いてしまいます。
「何となく疲れている」
「疲れが取れない」
という人でも、引っ越しなどを機に部屋がきれいになったとたん、元気になる人もいます。
散らかった部屋は、脳と自律神経にムダな負担をかけているのです。
交感神経・副交感神経の役割とは?
自律神経は大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれます。
この2つがバランスよく働くことで、私たちの体調やメンタルは安定します。
片づいていない部屋ではストレスが増え、交感神経が働きすぎてしまい、心も体も常に緊張している状態になりやすいです。
「散らかっている方が安心する」
という人もいますが、本当はモノの多さに疲れていたり、「片づけなきゃ」という無意識のプレッシャーを感じている場合もあります。
部屋の状態が心身に与える理由
部屋の片づけ状態は、科学的にも心身の健康に影響を与えると証明されています。
アメリカのプリンストン大学の研究では、視覚的な雑然さが集中力を低下させ、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌を増やすことが確認されています。(アメリカのプリンストン大学)
日本でも、環境の整っていない住居が、ストレスや抑うつ傾向と関連しているという研究があります。(日本職場環境研究)
片づけは、すぐに実施しやすい健康習慣でもあるのです。
片づけは空間の整理だけじゃない。心と体の健康を守るセルフケア

自律神経のほかにも、片づけと健康には関連性があります。
- アレルゲンと健康リスク
- 「今ここ」に集中すること
くわしく解説します。
散らかった部屋はアレルゲンの温床になる
片づけをすることで、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)のリスクを減らすことができます。
ホコリやダニ、カビといったアレルゲンは、散らかった部屋の中に溜まりやすく、掃除もしにくくなるからです。
とくに布類の裏や隙間など、見えない場所ほどアレルゲンが繁殖しやすくなります。
厚生労働省の資料によれば、ダニ・カビ・ペットの毛などのアレルゲンは喘息や皮膚炎、アレルギー性鼻炎などを引き起こす原因になります。
アレルゲンを避けるためには、生活環境そのものを整えることが大切です。(厚生労働省リンク)。
アレルギーの予防や健康維持には、日々の片づけと掃除が効果的です。
片づけは部屋の健康を整える行為でもあるのです。
片づけは「動く瞑想」になる
片づけや掃除は「今、この瞬間」に集中しやすくなるため、心を整える「動く瞑想」としての効果があります。
手を動かし、目の前のモノに意識を集中することは、マインドフルネス(今ここに集中する状態)と同じメカニズムだからです。
とくに、単純な繰り返し作業は、瞑想と近い状態を作りやすいとされています。
アメリカ国立医学図書館(PubMed)に掲載された2024年の論文では、掃除前後の心の状態を調査した結果、瞑想に似た効果(不安軽減・感情安定)が認められたと報告されています。(Journal of Ayurveda and Integrative Medicine)
「掃除しただけで気分が軽くなった」という感覚は、脳がリセットされている証拠です。
片づけは、自律神経だけでなく、メンタルケアの習慣としてもとても効果的です。
「片づけ」は事故の予防にもなる
片づけは、ストレス軽減やアレルゲン回避だけでなく、事故を予防する健康習慣でもあります。
物理的に安全な空間(つまずかない・転ばない)を保ち、小さい子や高齢者にとっては事故の予防という意味でも重要です。
片づけは、体を大事にするための投資です。
やればやるほど、整っていきます。
健康になる片づけルーティン│時間別ガイド

片づけというと、まとまった時間がないとできないと思っている人もいます。
朝・昼・夜の時間帯ごとに、今日からすぐできる片づけルーティンをご紹介します。
1日を気持ちよく過ごすためのヒントとして、ぜひ取り入れてみてくださいね。
朝5分!カーテンを開けて光と風でリセット
朝の片づけは、自律神経を整える心と体のスイッチになります。
窓を開けて、引き出しを1つ、片づけてみませんか?
朝は判断するための脳も元気なので、必要か不要か、モノを判断するスピードも速くなります。
朝から5分だけでも片づけをすると、1日が満たされた気持ちではじめられます。
昼の「ついで片づけ」でストレスと一緒にモノを手放す
日中、自宅で家事をしている主婦であれば、家事のついでに1ヶ所片づけをしてみましょう。
- 料理の合間に調味料の整理
- 洗濯を干した後に、古い洗濯ばさみを1つ処分
小さな行動だけでも、気分がスッキリします。
夜の片づけが睡眠の質を上げる
夜は、脳が疲れている場合が多いので、軽い片づけを意識しましょう。
生活空間を少し整えるだけで、睡眠に入りやすくなります。
たとえば
- リビングのクッションを揃える
- 洗面所のタオルを整える
など、1分で出来ることで大丈夫です。
寝る前の片づけは、心と体に「おやすみ」の合図を送る大切な習慣。
ほんの1分でも、視界から余計な情報が消えることで、脳がリラックスしやすくなります。
その片づけ、逆効果かも?ストレスを増やすNG行動と対処法

片づけがストレスになってしまう場合があります。
3つストレスになりやすい例と対処法をお伝えします。
- 一気に片づけようとして挫折
- 片づけで家族とケンカ
- 完璧に片づけようとする
1つずつ見ていきましょう。
「一気に片づけようとして挫折」は逆効果
人によっては、一気に全部片づけようとすると、挫折しやすく、ストレスに感じる人もいます。
挫折をすると、片づけに苦手意識が生まれてしまいます。
そのため、あまり片づけをしてこなかった人は、少しずつ手をつけるほうがいいでしょう。
- 1日1ヶ所ルール
- 15分ルール
など、少しずつ片づける方法はいろいろあります。
例外は、引っ越しや来客前などの急ぎの場合。
基本は「コツコツ片づけ」がオススメです。
片づけを家族に押しつける
片づけを家族に押し付けると、人間関係の悪化からストレスがたまる場合があります。
片づけへの価値観は人それぞれ。
家族に強く「なんで片づけないの?」と言ってしまうと、ケンカになる恐れがあります。
片づけが苦手な家族との関わり方は、下記の記事でくわしく解説しています。
完璧主義は片づけの敵
「完璧にやらなきゃ」と思いすぎると、かえって動けなくなります。
「理想の部屋」を追い求めすぎると、途中でつまずいたときに強い自己否定が生まれます。
「やるなら完璧に」と思っている人ほど、自分の失敗を許せず、結局手が止まってしまうことが多いのです。
「60点でOK!」と決めると、気が楽になり、結果的にキレイな部屋になります。
片づけは、本来「自分の暮らしを整える」ための行動です。
無理せず、自分に合ったペースで進めていきましょう。
片づけは整える力が身につく健康習慣
片づけは、部屋だけではなく心も整えてくれる健康習慣です。
少しずつ整理してみてくださいね。
どうしても自分1人では片づけが進まない人は、整理収納学園に参加しませんか?
初等部ではオンラインで片づけの相談ができたり、習慣化するための仲間づくりができます。
ご参加をお待ちしています。